まず最初に、会社は年休を取得した際に支払われる賃金について、就業規則等で定めなければなりません。

 原則として次の3つからの選択です。
  ①平均賃金
  ②所定労働時間労働した時に支払われる賃金
  ③健康保険の標準報酬日額

 したがって、社内規定で①や③が選択されている場合は『日々労働時間が違う社員』についても対応は可能です。
 ここで問題となるのは、②の『所定労働時間労働した時に支払われる賃金』という社内規程で定まっている場合となります。

 A.年休を取得した日に働く予定だった時間分の賃金
 という答えになります。

 つまり、年休を取得した日が4時間勤務の日であれば4時間分の賃金。6時間勤務の日に年休を取得した時は6時間分の賃金の支払いが必要となります。
 
この考え方は、正社員等で変形労働時間制を採用している場合でも同じです。

 ※年休は『労働する義務のある日』に取得するものなので、週3日働くパート社員が本来働く予定の無い日(休日)に年休をとることはできません。したがって、年休を取得する日は「働く義務のある日、働く予定の時間(所定労働時間)も決まっている日」という事になります。

A.年休の残日数がある限り、退職日までの労働日(働く義務のある日)が年休となる

 

 土日が所定休日の社員は、退職日までの土日を除いた日数の年休を認めることとなります。もちろん、年休の残日数が少ない場合は年休の残日数分までです。

 また、退職時の年休の買上げは違法となりません。余裕のある企業では労働者と合意の上、退職日まで出勤してもらい年休の残日数分を買い上げることも可能です。

 

 ※年休を奨励するような大企業ではあまり問題とならないかも知れませんが、中小企業の経営者にとって、かなりの出費となってしまうケースも多いです。そもそも、辞めていく社員に生産性の無い年休を与えるより、既存の社員の給与や福利厚生に充てたいと思うのことが経営者として普通かもしれません。
 「何か良い解決策はないですか?」とよく相談を受けます。解決策は?→伊藤事務所へ

A.1回の年休取得で2日分の日数を消化する

 

 警備やビル管理の業務では、1回の勤務が16時間や24時間など日をまたいで勤務することはよくあります。これを1勤務2労働日と考えます。この場合、年休を1勤務取得した際に2労働日休んだことになります。
 ただ、支払われる賃金は結果的に通常通りの1勤務分の賃金となります。

A.時間単位での賃金+実際に労働した分の賃金

 

 割増賃金は付かない。

 

 例)就業時間は午前9時〜午後18時(うち休憩1時間)とします。
  2時間の年休を取得を取得して午前11時に出社。通常通り休憩を1時間して、午後20時まで勤務をした。この時の賃金は?

  ⇒『年休分(2時間分)の賃金』と『実労働時間分』の合計額を支払えばよい。

 

 ※「この日は10時間勤務?だとすれば2時間は残業手当が発生?」と考えてしまう方もいると思います。しかし、労働基準法は実労働時間主義です。(※参考労働時間計算編.Q5』・『労働時間計算編.Q6』) 遅刻した時にその時間分遅くまで勤務をさせても残業手当を付ける必要はありませんし、1日年休を取得してもい1ヶ月の総労働時間には含みません。

A.所定労働時間に比例して短縮される

 

 例)社員の所定労働時間が8時間から6時間へ変更となった。

 その時点で
  ・残日数 ⇒ 10日
  ・残時間 ⇒ 6時間   だったとします。

 【変更後】
  ・残日数 ⇒ 10日(日数は変わらないが、1日当たりの時間数は6時間)
  ・残時間 ⇒ 5時間(6時間×6/8=4.5時間、端数は切上げのため5時間)

A.応じる義務はない

 

 会社は、社員からの年休の事後申請に応じる義務はありません。その理由は年休の取得の流れは『労働者からの請求に対して会社が承認する』という事が原則だからです。
 なぜこの流れが原則かというと、労働者が『この日に年休を取りたい』(時季指定権)という請求に対し、会社は『その日ではなく他の日にして下さい』(時季変更権)という権利をもっているからです。
 もちろん、事後申請に対し会社が承認することは可能です。

 ※時季変更権は事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。

A.応じる必要はない

 この問いの休職中とは『休職発令等により働く義務の無い社員』の事です。もう少し詳しく説明すると、休職発令等で働く義務の無い社員は年休の請求をすることが出来ません。

 『年休は働く義務のある日に請求できる 』

 したがって仮に、怪我や病気で休んでいる社員に対し、会社が休職発令を出していない場合は、社員が働く義務を免除されていませんので、社員の年休請求に対し『その年休取得で事業の正常な運営が妨る時以外』は年休を承認しなければなりません。
 御社に合った労務管理を考えて下さい。 

A.原則:できない

 

 例外として、違法とならないケースが2つあります。
  ①もともと法定付与日数を超える年休日数を付与していた時の法定を超える部分
   (法律よりも条件が良い部分)の買上げ。
  ②退職時や時効(2年)の理由で消滅する場合の買上げ。

 

 ただし、上記の②のケースでは、年休取得を抑制するための買上げは認めていません。
  「買い上げるから年休を請求しないでね。」といった感じの買上げはダメです。

 つまり、結果として残った日数に対しての買上げという意味です。

 

 年休の趣旨が『心身の疲労の回復』であるためと思われます。

A.含めなくても良い

 

 もちろん含めても良いです。

 

 年休で支払われる賃金は、
  ①平均賃金
  ②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
  ③健康保険法の標準報酬日額

   です。

 今回問題となるのは①や③ではなく、②の支払い方法の時ですね。

 ②の『通常の賃金』とは、どのような賃金のことでしょうか?
   ⇒答えは、『割増賃金の基礎となる賃金』のことをいいます。

 割増賃金の基礎となる賃金とは、『通常の労働時間または通常の労働日の賃金』です。
 もう少し分かり易くすると、『深夜でない所定労働時間中に行われた場合に支払われる
賃金』ということです。
 この賃金が『通常の賃金』になります。

 

 ※また、以下の手当も年休賃金の『通常の賃金』には含まれません。
   ・家族手当
   ・通勤手当
   ・別居手当
   ・子女教育手当
   ・住宅手当
   ・臨時の賃金
   ・1ヶ月と超える期間ごとに支払われる賃金

A.可能

 

 ●年休の計画付与には以下のパターンが考えられます。

  ①事務所全体での一斉付与
  ②班別や職種別などの交代制付与
  ③個人別の付与 

 

 いろんなパターンがありますが、計画付与の付与日を労使協定で締結しておけば計画付与は可能です。特に、個人別の付与については計画表を作成する時期やその手続き方法などを労使協定で締結しておけば良いこととなっています。

 

 ただし、個人別に計画付与を与える場合であっても、事業場の過半数代表者と労使協定は必要です。

A.就業規則の定めによる

 

 労働基準法では、どちらから消化するかの定めがないため。

 

〈例えば〉
 ・入社6か月後⇒『10日』付与
 ・入社1年6か月後⇒『11日』付与

 この間年休を1日も取得してない場合は、年休の残日数は『21日』ですね。この従業員が年休を取得した際に、

 『最初の「10日分」から消化するのか?後の「11日分」から消化するのか?』

 ご存知の通り年休の時効は2年ですから、2年6か月後に年休を『12日』付与される(付与されなくても)と同時に、最初の『10日分』は消滅します。

 したがって、年休を取得した際の年休消化が繰り越し分からである企業は、2年6か月後の『残日数は23日』。年休消化が本年度分からの企業では『残日数は22日』となります。

 

【つぶやき】
 確かに「どちらの年休から消化するか」の定めは法律にありません。ただ、労働者が2年間権利としてもっている請求権です。労使でよく話し合って決めることをお勧めします。

参考までに・・・
 私の知っている企業で「年休消化は本年度分からとする。」と定めている企業があります。その企業の年休取得率ほぼ100%です。従業員の方は、一生懸命年休を消化するそうです。
 年休取得を促進する企業ではこの方が良いかもしれません・・・

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